日本は「核武装できる」のか

平成28年3月19日 朝日新聞
法制局長官、核使用「憲法ですべては禁止されていない」

横畠法制局長官の発言が物議を醸している。昨年成立した安保法制がよほど尾を引いていると見えて、「次は核兵器保有か?」と懸念する人が相当数いるようだ。

ただ、この発言そのものは、何ら間違いではない。日本国憲法では、核兵器を名指しで禁止してはいないのだから。

というか、本来であれば、あらゆる戦力の不保持を掲げているのだから、核兵器ももちろんNGなのだけれど、「自衛のための必要最小限度の実力」ならOKとして、自衛隊という、実質上の「戦力」を保有している手前、核兵器だけNGにする理由がない、というのが本当のところ。で、「自衛の範囲内で使うなら、核兵器保有も可能」という見解が、政府はあまり表立っては言わないけれど、戦後この方脈々と受け継がれてきたのであって、横畠法制局長官のオリジナルではない。

無論、日本は核拡散防止条約(NPT)の批准国だから、今日明日にも「じゃあ核武装しましょうか」というわけにはいかない。けれど、現行憲法を、自衛隊容認を前提とした上で解釈すると、どう捻っても、核武装をNGにはできない。そのため、理屈の上では、現行憲法上でも、法律さえ整備すれば、日本は核武装できる。

今回のこの発言に反感を覚えている方は、日本が核武装する可能性を根絶したいのだと思うけれど、であれば、現行憲法では「可能性をゼロにはできない」と問題認識した上で、現行憲法を堅持するのではなく、その改正によって目的を達成する方針を採るべきであろう。

※いわゆる「非核三原則」は、内閣の決意表明のようなもので、これ自体に法的拘束力はなく、いつでも「やっぱやめた」と打ち捨てることができる。
※国内法では、原子力基本法の第2条第1項で「原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として・・・」とあり、これにより核兵器の保有は禁じられている、と解釈する向きもあるが、自衛隊もまた、自国の平和と安全の確保のためにあるのだし、「平和と安全の確保のために核兵器を持つ」という論も成り立つだろう。
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